ヴィクトリア朝

ベアタ・ベアトリクス(Beata Beatrix)

産業革命によって経済が発展したヴィクトリア朝時代。

最後に、これらの作品が生まれた時代「ヴィクトリア朝時代」について触れておきたいと思います。

ヴィクトリア朝は、ヴィクトリア女王がイギリスを統治していた1837年から1901年の期間を指します。産業革命による経済の発展が成熟に達し、イギリス帝国の絶頂期であるとみなされています。

ヴィクトリア朝は3期に分類されていて、初期(1837年から1850年)、中期(1850年から1870年代)、後期(1870年代から1901年)となっていることが多いようです。

初期、産業資本家の勢力が伸張し、中期に入ると自由貿易体制が整えられてイギリス帝国の絶頂期となっていきます。後期には生産設備老朽化や、資本集中の遅れから重化学工業への転換が遅れ、アメリカ合衆国やドイツなどの工業力の向上に引けをとっていくことになります。

ヴィクトリア女王の治世1837年から1901年は英国の黄金期であったとされていますが、英国の美術にとっても黄金期、爛熟期であったとされています。この時代にはおよそ11,000名の一般に認められた画家が誕生したんだそうです。世の中が、円満で平和な時代であったからこその、芸術の成熟でもあるのですね。たくさんの数の芸術品が生み出される中、一般大衆もこぞって展覧会へ赴いた時代でもあったそうです。ビクトリア女王は英国の芸術家たちを後援し、それによって、貴族と同等の人間関係をもって上流社会と交わるという名誉ある地位を芸術家たちは占めていったのだそうです。このような風潮の中であれば、多くの芸術家志望が生まれ、その中から一流の芸術家に育っていく人も多くなるというものですね。。ディケンズやジョージ・エリオットの小説、オスカー・ワイルドの演劇、及びテニスンやブラウニングの詩なども同じ時代に花開いた作品です。この時期はエスタブリッシュメントと進歩主義的趣味の分離が始った時代ともとらえられています。芸術家のグループの拡大もみられ、その中のひとつにラファエル前派は含まれています。そのほか、Clique、セントジョーンズウッド派、クランブルックコロニー、ニューリン学派として知られる集団も生まれました。その反面、単に独立を好み、コロニーや団体に所属するのを避け独立を好む画家も多くいました。英国の芸術においては、多様性と個人主義こそが魅力を生んだといわれています。

美術のみならず、文学、演劇、音楽でも様々な文化が生まれました。それらも背景に感じながら、ラファエル前派の美術をもう一度堪能してみてはいかがでしょうか・・。

演劇

  • メアリ・シェリー(『フランケンシュタイン』などの翻案ものの舞台。)
  • オスカー・ワイルド(『真面目が肝心』などのウィットとドラマ。)
  • ヘンリック・イプセン(ロンドン公演に関する論争が、ジェームズ・ジョイスやジョージ・バーナード・ショーの支持によりくりひろげられた。)

音楽

  • ギルバートとサリバンのオペレッタ

小説

  • エリザベス・ギャスケル
  • ジョージ・ギッシング
  • ジョージ・エリオット
  • トマス・ラブ・ピーコック
  • チャールズ・ディケンズ
  • アーサー・コナン・ドイル
  • ウィルキー・コリンズ
  • オスカー・ワイルド
  • シャーロット・ブロンテ(カラー・ベル)
  • エミリー・ブロンテ(エリス・ベル)
  • アン・ブロンテ(アクトン・ベル)
  • ウォルター・スコット
  • ウィリアム・メイクピース・サッカレー
  • ルイス・キャロル
  • ロバート・ルイス・スティーヴンソン
  • トマス・ハーディ

  • アルフレッド・テニスン
  • ウィリアム・モリス
  • ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
  • アルジャーノン・チャールズ・スインバーン
  • マシュー・アーノルド
  • クリスティーナ・ロセッティ
  • エミリー・ブロンテ
  • ライオネル・ジョンソン
  • アーネスト・ダウソン
  • W.B.イェイツ(若い時の)
  • トマス・ハーディ
  • ジェラルド・マンリー・ホプキンス
  • A.E.ハウスマン
  • ロバート・ブラウニング

評論・随筆

  • トーマス・カーライル
  • マシュー・アーノルド
  • ジョン・ラスキン
  • ジョン・スチュアート・ミル
  • ウォルター・ペイター